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純谷吉松(Itoya Kichimatsu)


■2005年03月のニュース一覧
▼[2005.03.30]あしたの発明のために
▼[2005.03.28]capturing moments,flickr
▼[2005.03.26]陽射しとトマトと酸味
▼[2005.03.24]大泥棒の手際
▼[2005.03.22]確かなLOVE SONGを聴け
▼[2005.03.20]扉を掴み
▼[2005.03.18]ブラックホールブラック
▼[2005.03.16]「………」「…………」
▼[2005.03.14]楽確認証方
▼[2005.03.12]豚汁の条件
▼[2005.03.10]存在が苛酷な社会
▼[2005.03.08]NOT die in obscurity
▼[2005.03.06]眠りの壺
▼[2005.03.04]原罪
▼[2005.03.02]アプライアンス・ドックス

■2005年04月のニュース一覧
■2005年02月のニュース一覧


 
[2005.03.30]
  あしたの発明のために


 ▼MIT invents computer that runs away(The Register)【英語】
  http://www.theregister.co.uk/2005/03/28/mit_clocky/


 金は天下のまわりものと云うが,まわってこないところからあしたが生み出されてくることは多い。ネットワーク上をみていると,ひしひしとそれを感じることもあったりする。それは,どこかおかしく,なにか変化が必要なはずだ,が。

quote:ウインドウズのツールバーやマックOS Xのデスクトップのドライブアイコンも逃げていくことがあるが,車輪のある目覚まし時計のクロッキーは,はるか遠くに逃げていってしまう。しかもいつも異なる場所に移動してしまい,さらに70年代の喜劇チックになるようにみつけにくい色になっている。クロッキーはマサチューセッツ工科大学(MIT)のメディアラボで開発された製品で,作成者は毎朝足の指先に噛みつく子猫によって発想を得たと述べている。

 画像をみても,????? という物体でなんのことやらと云う感じだったりするが,目覚まし時計だそうだ。どこにボタンがあるのかもわからないけど,アラームが鳴って止めるためにボタンを押すと,勝手にどっかに走っていってまたアラームを鳴らす。二度寝なんてしてられず,どぉしても追いかけていって止める必要があるらしい。記事にあるが,どこに行くかわからない,目立たない外観である(?),と云うことで究極の目覚まし時計,らしい。

 おおむね,研究室で行われていることなんて,ほとんどが普通の人には興味をそそられることもない,役に立たないことばかり,と云うのは確かにその通りかもしれない。そしてその役に立たないことをやり続けるにもお金が必要なんだけど,お金はどこからもわいて出てこない。まったく社会の害悪にしかならないような人がお金をたくさん持っていることもあって,世の中はうまくいかないものだ。クロッキーはそんな役に立たない研究室から出てきた,役に立つような気もするもののひとつだ(本当に役に立つかはわからないが)。実を結んで欲しいもの,かも。



 
[2005.03.28]
  capturing moments,flickr


 ▼I'll show you mine...(BBC NEWS)【英語】
  http://news.bbc.co.uk/1/hi/magazine/4374971.stm


 フリッカーは変わるだろうか。できれば変わらずあり続けて欲しい,価値ある財産に高まっていると思う。

quote:先週,わたしは自宅で仕事詰めだったが,友人たちは海外で休暇を過ごし,その写真をフリッカー・コム(Flickr)でたくさんみることができた。これは珍しいことではなく,わたしは今週,ポールが市民菜園に行ったことも,アニーが家族とハイキングに行ったことも,クリスがマクドナルドで食事をしたも知っている。すべて,感謝すべきフリッカーのおかげだ。多くの写真共有サイトはただ写真を共有することを宣伝しており,今週フリッカーを買収したヤフーもすでに似たものを持っている。だが,フリッカーはそれを超えて,写真を社交的な道具に変えた。さらに友人を超えて,誰もがあなたの写真をみられる。さらにフリッカーはウェブロガーたちにも,簡単な統合で人気だ。

 (過去記事)。「フリッカーのページの写真って,フラッシュ?」「そうだね」「保存できないのが,面倒かな」「うん。でもソースをみれば画像のURLはあるよ」「そうなの?」「そのURLを別ブラウザで開けば,すぐ保存できる。まぁその写真の管理者が許可してれば,写真の上に「ALL SIZES」ってボタンがついてすぐ保存できることもあるけど」「あっ,みたことある。あれって設定でできるの?」「なんだっけ,設定の『Allowing Downloads』だったかな。それで誰でもダウンロードできるようにできたっけ。デフォルトではフリッカーのアカウントを持っている人だけダウンロードできるようになってるけど」「そんな設定,あるんだ」「? アカウント,あるの?」「え,あ,うん」「びっくり。アカウント教えてよ」「うーん,今度」「なんでだよ」「恥ずかしいから」「だって誰でもみられるんでしょ」「知ってる人は別だよ」「ぢゃあ他人としてみるからさ」「意味わかんないよ」。

 フリッカーでは,写真を公開している人がその写真にタグを付けられる。検索用のキーワードになるんだけど,いい加減なタグを付けている人はほとんどいないので,かなりよい感じで検索できる。。春での検索結果。花が多いのはどこでもおんなじっぽいけど,日本の春のイメージとは明らかに異なるものも多い。春はひとつぢゃない,と気付く。。イタリアが舞台のアニメを観返しているせいか,イタリアの地名で検索してみて回る。シチリアローマベスビオナポリフィレンツェミラノ。もう,旅行記が書けそうだヨ。



 
[2005.03.26]
  陽射しとトマトと酸味


 ▼Researchers want to make tomatoes tastier(USATODAY.com)【英語】
  http://www.usatoday.com/tech/science/genetics/2005-03-25-tomato-genes_x.htm


 「残ったトマトのヘタを用水路に投げ入れ,まっすぐ続く砂利道を,ボクはずっと走り続けていた」。

quote:病気にならず早く出荷できるトマトを作る研究が,おいしさと栄養の向上にもつながると研究者は述べる。オハイオ州立大学の研究者は,トマトの色と栄養価の向上のために,何百個ものトマトの種を植えている。2000年の報告では,米国人はケチャップやパスタソースなども含めて,1年で約40kgのトマトを食べている。トマトはガンを防ぐリコピンや目に重要なビタミンAなどを豊富に含んでいる。栄養価の高いトマトを作るには,トマト内が黄色くなるのを防がなければいけない。研究者はトマトの色に関する遺伝子の研究を求めている。「トマトの色は,とてつもなく重要なんだ」。

 突発トリビア。トマトとキュウリは相性が悪い。キュウリが含むアスコビナーゼが,トマトのビタミンCをすべて破壊してしまう。熱するか酢を使えば大丈夫だが。とまぁそんなことはいいんだけど,トマトの赤は異彩を放っているといつも感じる。ほかにもニンジンとか赤ピーマンとかもあるんだけど,トマトの赤はあまりにもドギツイ。だがその異様な赤が栄養素と密接だという結論が,日に日に研究で強まっていると云う。意味のない色などない。花も野菜も,色があって,存在がある,のかもしれない。

 「ボクの田舎は,田舎と呼ぶにふさわしいような田舎で,周りは田んぼと畑しかなかった。夏のにおいがしてくるころには,畑のなかに真っ赤なトマトがなる。ボクはそれをもぎ取って,近くの水道で洗って,頬張りながら,自転車で走る。強い酸味と,かすかな甘味。太陽の光がまぶしくて,陽射しはすでに夏の熱を持っていた。トマトの味は,いろんなことがうまくいかず,でもそれになにもできない自分のくやしさを感じさせて,口のなかに広がっていた。おとなになれば,トマトは少し甘く感じるかな。そう思って,空の青と遠くの山の緑に,トマトをかざした」。



 
[2005.03.24]
  大泥棒の手際


 ▼Cyber cops foil £220m Sumitomo bank raid(The Register)【英語】
  http://www.theregister.co.uk/2005/03/17/sumitomo_cyber-heist_foiled/


 ヤツには鍵穴に突き刺す針金も,スミス&ウエッソンも斬鉄剣も,催眠ガスもジェットヘリも必要ない。ただ自分の部屋でキーボードを叩いていればいいのさ。

quote:サイバー犯罪者がロンドンの三井住友銀行から,2億2000万ポンドを海外の10個の口座に移動させようとして失敗に終わったとフィナンシャルタイムスが報じている。三井住友銀行の責任者は,わたしたちはさまざまな対策を施し,損害はまったくなかったと述べている(THE INDEPENDENTの記事)。

 小さなころから,大泥棒に憧れている。ちいさなものを盗むなんてのはつまらないが,巨万の富や価値ある芸術品,骨董品,厳重に守られているそれらを思いもよらない技法で手に入れるのは,楽しいことだろう。昔はルパン三世などなどいろんな泥棒が出てくるマンガやアニメがあったが,最近はさっぱりきかない気がする。まぁわたしが知らないだけかもしれないけど。そして,いまネットワークは大泥棒の舞台として,少しずつ認識されてきている。ネット関連のニュースを漁れば,泥棒犯罪小説のネタがゴロゴロだ。1年ほど前に,カリフォルニア大学サンディエゴ校のシステムに入り込んだハッカーは,学生,先生,従業員,卒業生など,38万人ものデータを盗み出した。泥棒は自室でキーボードを叩いているだけだろうから,なかなかの収獲物だ。

 今回の三井住友銀行のシステムへの侵入も,440億円と云うとてつもない金額。そんな札束が目の前にあっても一度に持っていけないだろうが,ネットワーク上でなら簡単だ。で,どんな方法を使ったのかと云うと,報道されている部分だけではキーロガーが使われたと云う。…なんとも開いた口がふさがらない。キーボードで押したキーを記録するキーロガーは,あまりにも古典的で今風ではない。ではどぉやって銀行のコンピュータにキーロガーを設置したか,だ。外部から簡単にインストールするには銀行のファイアウォールは厳しいだろうし,ウイルスなどを侵入させるのも確実ではない。やはり内部関係者の仕業なのでは? と捜査が進められていると云う。なにか驚く内幕が出てくると楽しめるのだが。



 
[2005.03.22]
  確かなLOVE SONGを聴け


 ▼Kiss and tell(Guardian Unlimited)【英語】
  http://www.guardian.co.uk/online/story/0,3605,1438841,00.html


 おおむね,耳から聴こえてくるLOVE SONGはうそばかりだ。確かなLOVE SONGは,手のひらで聴け。

quote:デバイスやパソコンとの接続はWi-Fiやブルートゥース,またはケーブルを使用して可能だが,日本のNTT社は最大2Mbpsで皮膚を通じてデータ転送を可能にするレッドタクトンと呼ぶ技術を開発した。レッドタクトン対応装置を使えば,ポケットのなかの携帯MP3プレイヤーの音楽は,衣服のなかの身体を通してあなたの耳のヘッドフォンに到達する。会った人と握手することで電子名刺を交換したり,キスで電話番号を交換できる。データ転送役として人体を使うのはNTTが初めてではない。IBM社は1996年に,非常に低速で少量のデータを移動させるシステムを開発した。また同年にマイクロソフト社は,人体を使って力量とデータを送信する方法と器具についての特許を得ている。

 子ども同士や恋人同士が,手をつないでいるのをみることがある。あれにはどんな意味があるんだろうと思っていた。セックスと違ってなにか快感があるわけぢゃない。でも知らない人と手をつなぎたいと思わないし,つないだら気持ち悪いかもしれない。そんなことを話していたら心理学の先生が,相手に触れたいというのは人間の根本的な欲求のひとつだと教えてくれた。そして,触れ方によって相手の感情がダイレクトに伝わるのだ,と。

 手を握るだけでも,依存,依託,愛護,受諾などの感情が伝わる。微妙な手の感触のやさしさ,きつさ,感じる手のあたたかさ,冷たさ(体温が高い・低いの問題ではない)などのかすかな違いを,人は無意識のうちに感じて,相手の感情を受け取れる,のだそうだ。触れ方によって本当に愛されているか,そうでないかがわかると云うのは,なんか難しいことのような気もするし,でも本当のような気もする。真相はわからんが,もしかしたら…。人の皮膚にはレッドタクトンのように,なにかを伝える能力があるのかもしれない。そしてデータのひとつとして感情も伝えられる。言葉では相手のうそに気付かなくても,触れられたとき,相手の身体に触れたときに気付くことがある。手のひらや唇はもともと,なにかを伝える術を持っている,かな。



 
[2005.03.20]
  扉を掴み


 ▼DVD Jon: buy DRM-less tracks from Apple iTunes(The Register)【英語】
  http://www.theregister.co.uk/2005/03/17/black_holes_new_york/


 これで終わりではなく,たぶんいろいろと処置がとられていくことになるだろう。だが,すでに開きかけている扉を,大きくこじ開ける鍵のひとつとなる。そして扉が全開になるまで,すべては続けられ,とどまることはない。

quote:DVDのCSS暗号を解読可能にしたDVDヨンことヨン・ヨハンセンは,「iTunes ミュージックストア(iTMS)への正当なインターフェイス」としてPyMusiqueというユーティリティを公開した。このソフトはiTMSでの歌の試聴と購入ができ,さらにiTunesとはふたつの重要な違いがある。ひとつ目はあなたが購入した曲を再度ダウンロードできること。ふたつ目はダウンロードした曲はDRM(デジタル権利管理)で苦しめられていないこと。これは合法かどうかは疑わしいが,PyMusiqueはDRMが適用される前のファイルを掴んでダウンロードするので,PyMusique自体はDRMを迂回してはいない。

 DVDヨンがまたやってくれた。hymn(過去記事)でiTMSのDRMであるフェアプレイを除去することはできていたが,購入はiTunesを使用しなければいけなかったし,決まった工程で購入するまでは変えようがなかった。だがPyMusiqueによって,例えばiTunesが提供されていないリナックスなどのOSからでもiTMSの曲を購入することができるようになり,さらになにもしなくてもAACファイルを再生できるさまさまな音楽プレイヤーソフトや携帯音楽プレイヤーで再生できることになる。

 ではウインドウズ版を使ってみよう(リナックス用と,別所でマックOS X版もリリースされているようだ)。fuware.netからPyMusiqueとリンク先のGtkのランタイムをダウンロード。先にGtkのランタイムをインストールして再起動し,PyMusiqueもインストール。わたしの環境ではPyMusiqueを起動すると「MSVCR71.dll」がないとエラーが出るのでウェブから探してきて「pymusique.exe」と同じフォルダに置き,起動。上部欄にキーワードを入力してリターンキーを押すと曲がリスト表示される(pic)。リストされた曲をダブルクリックするか「Song」メニュー→「Preview」で30秒の試聴もできる。「Country」メニューではiTMSが提供されている国名が並び,選択によって表示される曲も変わる(pic)。「Account」メニューの「Login」で(pic)iTMSのアカウントとパスワードを入れてログインでき,曲も購入できるようだし,「Account」メニュー→「Signup」でメールアドレス・パスワード,さらにクレジットカードの情報などを入力してアカウントを作成することもできる。申し分なし。(fuware.netのキャッシュ



 
[2005.03.18]
  ブラックホールブラック


 ▼Black holes in production in New York(The Register)【英語】
  http://www.theregister.co.uk/2005/03/17/black_holes_new_york/


 下水もゴミも犯罪者も礼儀知らずもヘタレな会社や団体も全部ぶち込んでしまえば,世の中ちょっとはきれいになるでしょーか?

quote:ニューヨークにあるブルックヘブン国立研究所の研究者は,非常に短命で,非常に小さいブラックホールを作成した。作成に成功した重イオン衝突型加速器のチームは革新的なことと報告しているが,ほかの科学者は実用的な使用はできないと論じている。そこでわたしたち,The Registerがどのように使ったらいいか考えてみた。アルティメット・スパム・フィルタ,もう2度と流さなくていいブラックホール・トイレ,昼間寝るときにすべての光をなくしてくれるアンチ電灯!

 わたしは科学的な知識がさっぱりないので,ブラックホールについてもよく知らない。知ってるのは,なんでも飲み込んでしまう,光さえも飲み込んでしまう,ということぐらいだ。そんな感じなのでThe Registerの考えるブラックホールの使い方のバカバカしさも素晴らしいと感じてヒザを打ってしまう。そう,世の中いらないものが多すぎる。そんなものの簡易ゴミ箱としてブラックホールは最適なのだ。

 昼間寝てることが多いわたしが特に欲しいのはすべての光を吸収してくれるアンチ電灯なのだが,光を吸収してしまうということは,当然人間なんか一瞬で飲み込まれるやないかいとなるがそれはいわない約束ということで。光だけを吸収するフィルタと合わせて使うことで,いつでも部屋のなかは真っ暗闇にできると云うことにしておこう。燃えるゴミも燃えないゴミも全部放り込めるので,エコロジーにも最適。…と思ったが,昨年夏にホーキング博士がそれまでの自説を覆し,ブラックホールに吸収されたものはブラックホールが崩壊するとまた外部に漏れてくるだけ,って話があったような(asahi.comの記事)。ダメぢゃんかよ。



 
[2005.03.16]
  「………」「…………」


 ▼Interest in VoIP grows at CeBIT(Computerworld)
  http://www.computerworld.com/networkingtopics/networking/voip/story/0,10801,100379,00.html


 「………………………………………………………………………………………」「………………………………………………………」「……………………………………」「………………………………」。

quote:電話は,これまでセビット見本市(CeBIT)の大きいテーマになったことはないが,VoIPによって今年は大きく取り沙汰されている。1990年代初期から同様の技術はあったものの,既存の電話会社が利権を守るために提供していなかったため普及しなかったが,いまVoIP市場は変化している。今回のセビットではそれがはっきりとみてとれる。スカイプ社はルーターにつなげるコードレス電話の開発を行っている。先月は,スカイプ対応の無線装置を開発するためモトローラ社と提携した。

 いまスカイプを使っていてなにが不足かと云うと,固定・携帯電話にかけることはできるが,受けることはできないと云うことだろう。こちらからかけたときはエコーになって遅れて二重になって声が聴こえることもあるようだが,さほど品質が劣るわけでなく困らない。料金的にも,固定・携帯電話の料金と気になる差はない。スカイプ同士ならロハなわけだし,常にPCに向き合っている身には利点しかない。固定・携帯電話からの電話を受けることも,行政機関が既存の電話会社を優先するダメな体質を改めれば解決できる問題で,将来的なことを考えるなら早急に改善するべきだろう。なによりも,スカイプで利点となるのは。

 ボクはずっと黙って,受話器を持っているだけだった。最初は,きょうあったことなど,たいしたおもしろくもないことを伝え合って言葉をつむいでいるが,そんなに話すことがあるわけぢゃない。ボクも彼女もそんなに話し好きでも話すのが得意なわけでもないので,ただずっと黙って受話器を持っているだけになる。無理に話をしても相手に気を遣わせるだけなので,ただそうしている。なんか電話代がもったいないね,と云うこともあったけど,そのときは,電話代よりもつながっていることの方が大事だった。でもいまスカイプなら,電話代よりも先につながっていることが前提としてある。ヘッドセットから聴こえてくる息遣いは,あのときよりもしっかりと聴こえてくる。



 
[2005.03.14]
  楽確認証方


 ▼Dead ringer photo to beat phone thieves(Guardian Unlimited)
  http://www.guardian.co.uk/uk_news/story/0,,1432658,00.html


 いまだ文字によるパスワードに頼っている状況だが,いつまでもそれが持たないのはみんなわかっている。では,代わりはどこにあるのか?

quote:英国では2003年に130万もの携帯電話の窃盗が起きて問題となっているが,日本のオムロン社は強盗を思いとどまらせるかもしれない顔認識システムを開発した。この顔認識システムを使うと,携帯電話の所有者は自分の写真を撮っておき,電話を使うときには新しい写真を撮り,そのイメージを比較してから使えるようになる。

 日本語の記事はImpress ケータイ Watchの記事で。携帯電話が他人の手に渡るとエライ目に遭うかも,と過去記事でも述べたが,ならば勝手に使えないようにロックしておけばいいんだろうけどそんな機能がある携帯電話があるのかどぉか知らない。宣伝文句でもそんなのをきいたことがない。手持ちのノキア7600にはセキュリティ設定で電源を入れたときにパスワードの入力が必要になったり,通話相手を限定したりできるけど,電源を切ることなんてほとんどないので役に立たなそう。ほかの携帯電話機は,どぉなんだろうか?

 もしそのような機能がついていたとしても最終的には,面倒ぢゃないなら使う,になってしまうだろう。自分の顔を撮影するなんてのも,面倒なことに感じそうな気がするが…。銀行では指や手のひらによる認証が本格化しそうだけど(Yomiuri On-Lineの記事),顔にしても指や手のひらにしても,個人的にはどぉもピンとこない。身体が絶対であると考えるのは安易だろうし,もし身体に障害を負った場合のことが考えられていない。また,自分がそこにいるローカルな環境ならすむかもしれないが,ネットワークを経た状況では普及がおぼつかない。これから詳しく調べたいと思うが,脳などの身体が発する磁波や鼓動のような震動などに頼るのが,手軽で確実な解決策になるんぢゃないかと思ってたりもするの,だが。



 
[2005.03.12]
  豚汁の条件


 ▼新しいDVD交換サービス(asahi.com)
  http://www.asahi.com/english/svn/TKY200503110268.html


 DVDの使い方が自由になって,そのあとになってDVDは普及した。iTunes ミュージックストアも使い方が自由になったからこそ,スタンダードになっている,ような気がする。最初っから自由ならいちばん楽だが,どっちにしても自由にならないなら,使わないし買いません。

quote:DVDを交換するサービスであるピアフリックス・コムは,入会費も月間会費もなく,1回の交換にかかる費用はわずか99セントで,交換したDVDは好きなだけ手元に置いておける。ピアフリックス・コムはウェブと電子メールを使い,ユーザーの欲しいDVDと持っているDVDのリストをマッチングさせて,交換を可能にしている。イーベイとオンラインDVDレンタルを複合したような感じだ。

 記事には,このサービスは合法だとある。買ったDVDを友人と交換するのと同じなわけで,ユーザーはお金を取って売ったり貸したりしているわけではない。またピアフリックス・コム自体も,売ってるのはアマゾンにリンクしているだけだし,自らの手持ちのDVDを貸したり渡したりしてお金を得ていない。ユーザー同士を結びつけているだけで,セルでもない,レンタルでもない,またダウンロードでもない。米国のレコード産業はピア・トゥ・ピアソフトの利用者を直接訴えることで問題解決を図っているが(というより最終的にそれしか手がなかった状態),映画産業はピアフリックス・コムにななにか手を出せるのだろうか。なおピアフリックス・コムには,すでに2万5千個以上のDVDが交換可能になっていて,さらにすでにあるゲーム・CD以外のほかの製品にも拡大し,米国・カナダ以外の国際的な展開を狙っていると云う(3i.comの記事)。日本にもなにかを云う前に著作権! と口走る人たちがたくさんいるが,ピアフリックスが日本に来たらなにかできるかな。笑えるな。

 買ってきた豚肉で肉野菜炒めを作ろうと豚汁を作ろうとなんの問題にならないのは当たり前だが,どうやら昨今の音楽・映画産業の姑息なやり口は,携帯電話で買った音楽は携帯電話以外では絶対使えません,iTunes ミュージックストアで買った曲はiTunesとiPodでしか再生できません,というように,使用方法を限定することしか能がないようだ。スーパーで,この豚肉を肉野菜炒め以外に使ったら法律で罰せられますと云ってるようなものだが,さてあなたはそんなスーパーで買いものをするだろうか。わたしはきょうは豚汁を作ることにしますごちそうさま。



 
[2005.03.10]
  存在が苛酷な社会


 ▼Schoolyard bullies get nastier online(USATODAY.com)【英語】
  http://www.usatoday.com/money/industries/technology/2005-03-06-cover-cyberbullies_x.htm


 ネット上で,どんなふうにいじめることができるか,あれこれ予想できる。そして,たぶんそれ以上のことが実際に行われている。どんなふうに反撃したらいいか,対応したらいいか,教えてあげたい。

quote:14歳のジョアンは,友人とケンカしたあと,3ヶ月間にわたって自分のウェブログで嫌がらせやいたずらを受けた。「それは終わりがない悪夢でした。パソコンに向かうのがこわかった」。彼女の両親と教師が介入して,そのいじめは止まった。でもジョアンは震え上がったままだ。ネット上でのいじめっ子は,ウェブの匿名性を使って結果を目にすることなく痛みを与えることができる。携帯電話やブラックベリーのような携帯機器も,いじめに使える。いじめを受ける子どもは,ネットの使用を禁じられることへの恐怖から,両親にいじめのことを云えないでいることもある。調査によると,米国の子どもの半分がネット上でのいじめをみたことがあるという。フェアファックスの小学校では昨年,6年生がもっとも嫌なクラスメートを決めるウェブでの投票を行っていた。

 記事のページに,ネット上でのいじめを受けた場合に順にするべきこと,と云うのが載っている。「●いじめを無視し,オンラインのコミュニケーションから離れてください。●いじめの証拠を保存し,いじめっ子が誰か特定してください。●いじめを行っている人の両親に連絡し,証拠をみせてやめるように要求してください。●学校の先生に知らせてください。●弁護士に連絡を取るか,少額訴訟で告訴してください。●名誉棄損やプライバシー侵害,精神的苦痛を受けることがあったなら,いじめっ子の両親を訴えてください。●暴力や強奪,性的被害のおそれがあるなら,警察に連絡してください」。裁判関連の話は日本では大げさと感じる人もいるかもしれないが,やるべきことは同じでいいと思う。被害に遭っている人は参考にして欲しい。

 わたしが子どもの頃はいじめが社会問題として大きく取り上げられていた感じがするけど,最近はそんな話を聞かない気がする。それはわたしのアンテナが低いだけかもしれないが,実際のところいじめがなくなってるわけはないだろう。ネットなんかしなきゃいいのに,と云う無知なおとながいる状況では,親に相談することもできない子どもが多いだろう。子どもはネットワークがなぜ存在しているのか,生きるためにどれほど必要不可欠なものなのかをきちんと認識しているだろうが,それにまったく追いついていないバカなおとながいる。だからネット上でのいじめは,より加速する。そんなやるせない社会を,残念に思う。



 
[2005.03.08]
  NOT die in obscurity


 ▼NY公立図書館、無償のオンライン画像閲覧サービスを開始(nikkeibp.jp)
  http://nikkeibp.jp/wcs/leaf/CID/onair/jp/ex03/363192


 ネット上にない情報は,忘れられて,朽ち果てるだけだ。テレビもラジオも本も音楽も絵画も,なにも残らない。残るための唯一の方法は。

quote:ニューヨーク公立図書館は,所蔵する絵画や写真の資料をオンラインで無料閲覧できるデジタル・ギャラリーを発表した。このサービスで閲覧できる資料の多くは同図書館のみが所有するものだと云う。「遠隔地にいる学者,研究者,芸術家が当サービスに手軽にアクセスすることで,知性豊かな発見や功績が生まれる」と同図書館館長は述べる。資料は,今後数ヶ月で50万点になる予定。

 実際にそのギャラリーでいろいろと観ていると,時間を忘れるほど楽しい。「japan」で検索すると,古い日本関連の写真や画像が表れる。そのなかにたくさんあるのが,Photographs of Japanと云うソースの写真たち。西暦1900年前後の日本の写真をあれこれ撮り,人工的に色をつけたもの。いまから100年前の風景となる。同じようにさまざまな国名で検索すれば,その国の過去の写真や画像を掘り出せるだろう。

 何気ない英単語で検索するだけでも楽しいが,学校の先生とかなら歴史上の出来事の資料を探すこともできるだろう。古い衣装,服装に興味を持っている人は,思い掛けない資料に出会えるかもしれない。ふいに表れた1枚のリトグラフに目が留まることもあるだろう。すべての情報の集積地としてネットワークがあってこそ,人は生き続けられる。図書館に埋もれている本も,そのままでは誰にも開かれることなくボロボロになるだけだが,デジタル・ギャラリーによってネットワークにあることで,いろんな人にみられ,なにか,につながっていく。それを知り,わたしたちが今なにをするべきか,誰でもわかることだろう。



 
[2005.03.06]
  眠りの壺


 ▼iPod で不眠に打ち勝つ(TidBITS)
  http://www.tidbits.com/tb-issues/lang/jp/TidBITS-jp-768.html#lnk6


quote:わたしとTonyaも,夜眠れないことがある。アイディアや仕事関係の考えが頭をよぎってしまうのだが,それで睡眠不足になると翌日の仕事に影響が出てしまう。その解決方法として,わたしはTonyaにiPodでオーディオブックを聴くことを勧めた。iPodで15分のスリープタイマーをセットしてオーディオブックの再生を始めると,Tonyaはすぐ寝てしまった。オーディオブックの内容を聴くことによって,わたしたちの頭のなかに浮かぶ声を静めることができるのだろう。

 私事だけど,わたしも寝るときにはいつも近くに置いたノートPCで動画ファイルを再生していることが多い。もちろんすぐに目は閉じてしまうので,あとは動画の音声を耳で聴いているだけになる。動画が終わればノートPCはスリープに入るし,わたしは嫌な考えや後悔などにさいなまれずに寝ついてしまう。たぶん周りに誰かがいたりするなら,Adam&Tonya夫妻のように,iPodなどのイヤフォンを利用するのもひとつの方法だろう。日本では普及していないが,オーディブル・コムのようなサイトから落としたオーディオブックは,そのよい助けとなってくれるだろう。

 だがたまたま近くにノートPCも携帯オーディオプレイヤーもない夜,シンと静まり返った部屋で目を閉じていると,なんでわたしたちは眠らなくてはいけないのか,と考え出してしまう。よく云われることだけど,1日の1/3ほどをいつも寝て過ごしている人がほとんどだ。つまり60年生きるとしたら,20年は眠っていることになる。これはあまりにももったいない気持ちがしてくる。だが,なぜ眠るかは解明されていない謎であって,答えはまだない。たぶん多くの人は疲れたから眠るんだろうと思っているようだが,わたしたちは疲れたから眠るのではない。ホントにそうなら,どんな危険な場所でも疲れてしまったら寝てしまうことになる。だけどどんな動物でも眠気を我慢して,安全に寝られる場所までたどり着く。そして1日中部屋にいた日も,あちこち動き回った日でも,同じ睡眠を取ることが多い。寝ている間に行われると思われていた傷の回復なども,起きているときでも行われるとわかってきている。

 レイ・メディスという英国の学者は,身体を動かさないようにするために眠るのだと云う。生物は動かない方が安全であり,ムダを防げる。それはどの動物でも同じだ。だからわざと定期的に眠気が起こり,動物はたくさんの時間を寝て過ごす。もしそうだとしたら,わたしたちは眠りをなくすことはできなくても,眠りを起こす物質を制御することで,睡眠時間を短くすることは可能と思われる。いまよりも3時間ほどでも長く起きているのが普通になるなら,もう少し,世の中の動きも,自分の行動も変わるかもしれない。なんてことを考えながら,夜は更けていくのでした。



 
[2005.03.04]
  原罪


 ▼Tech industry outlines file-sharing argument(USATODAY.com)【英語】
  http://www.usatoday.com/tech/news/2005-03-01-file-share-usat_x.htm


 すべての罪は,“そこ”から始まった。

quote:「iPodやティーボ(TiVo)が存在できない状態で,未来を創造してみて欲しい」。エンターテインメント産業は,ファイル共有ソフトのグロックスターモーフェウスによってユーザーがファイルをダウンロードしたことに対して,ソフトをリリースした会社に責任がないとした下級裁判所の判決を覆してくれるよう,上告している。いままでの判決は,1984年のソニーベータマックスの判決に因ってきたが,それが変わってしまうのではとパソコンオタクたちは心配している。権利を侵害しない利用ができれば適法であると云うソニーベータマックスの判決は,CD-RやiPod,スキャナなど,多くの機器の利用につながっている。

 iPodに対して,ファイル共有ソフトで落とした音楽ファイルを聴くためにある,とこきおろしていたのは誰だったろう。忘れたけど,実際のところ,落としたものであれ,自分でリッピングしたものであり,どのMP3ファイルでも再生できるのが,よくよく考えるとiPodの利点であったのだろう。それをせずにいままでみたことも触ったこともないファイルタイプしたサポートしない製品を出して当然売れずに右往左往していたダメな会社もあったが(Impress AV Watchの記事),まぁその話はどぉでもいい。

 携帯電話でも,たぶん曲を売りたいからなんだろうけど,パソコンから転送したファイルはさっばり再生できなかったり,できてもあれしてこれしてやっと聴けるような携帯電話ばかりな状態なのが笑える(わたしには他人事なので)。そんな製品しか作れない,ユーザーのことなど誰も考えてなく,せこい利益ばかり追い求めているような会社ばかりなんだから,もうこの国の産業が世界に誇れるものなど,なにもないだろう。…結局,誰がそんなダメな社会を作ったのか,そのダメな社会の元凶はいったいなにか,もう,わかってるよね。



 
[2005.03.02]
  アプライアンス・ドックス


 ▼RIP Jeff Raskin: Father of the Mac(The register)【英語】
  http://www.theregister.co.uk/2005/02/28/jeff_raskin_obituary/


 追悼。

quote:アップルがマックを発表した直後に,わたしはジェフ・ラスキン氏と出会った。そのとき,彼はアップルIIで作業を行ってソフトの説明をしてくれたのだが,彼の行ったすべてのことが,驚きに満ちていた。わたしは彼の家に招待され,部屋に入ると見事なピアノの音楽が聴こえてきた。ピアノを弾いていたのはラスキン自身だった。わたしはその後の2時間で,彼が本当のプログラマであり,本当の航空技師であり,本当の印刷工であり,本当の彫刻家であり,そして本当の作曲家である,とてもいい人であることがわかった。そしてわたしたちは友人となった。そのとき,ラスキンはスティーブ・ジョブズ氏とケンカして,アップルから離れてしまっていた。彼のインフォメーション・アプライアンスは素晴らしいもので,そしてそれは,アップルのフロッピーディスクのなかに収まっていた。いま,わずか61歳で彼を失うのは,簡単に受け入れられないほど不公平に感じてしまう。

 ラスキン氏についての一般的な解説は,ITmedia Newsの記事などで。ここでは亡くなる半年ほど前に行われた,Guardian Unlimitedの記事のインタビューの一節を以下に引用する。「あなたの遺産ともいえるアプライアンスによる簡便さは,マックの人気のキーになっていると思いますが?」「残念ながら現在のマックOSは混乱してます。ほかの人が作った解説書は1000ページ近くにもなり,それでも完全ではありません。アップルの開発はやや行き過ぎている部分があり,結果的にマックとウインドウズとの使い心地に差はほとんどありません」「あなたはいまのマックのユーザーインターフェイスをどう評価していますか?」「わたしの考えは時代遅れで,すでに的外れでしかないでしょう」「iMac G5のデザインはどうですか?」「実用的で省スペースのデザインになっています。ですがインターフェイスは改良する必要があるでしょう。いまのままでは,使う人はなにかを行うことを気に留める必要があるようになってます。アップルは大事なことを忘れてしまっているようです」。

 わたしが初めてマックに触れたのはもうかなり前だけど,それまでNECのPC-98やPC-88を使うことがほとんどだったわたしには,かえって戸惑いを感じるほど楽な操作を与えてくれて,そしてちょっとドキドキする楽しさに満ちていた。デスクトップという概念,マウスによるクリック&ドロップによる操作は,まったく知識がなくても自然に使いこなすことができ,違和感のない操作ができるように形成されていた。それはもちろん現在のマックではなく,OS9までのことだ。ラスキン氏も気にしていたように,OS Xになってマックのデスクトップは違和感を持つ空間になった。開いたフォルダの中身が同じフォルダ内に表示されたり,デスクトップというフォルダがあったり,同じ場所のフォルダがたくさんあったりもする。それは現在のOSでは一般的なことかもしれないが,誰でも自然に使える代物ではなくなってしまっている。もちろん慣れてしまえば普通に使えるものだが,ラスキン氏の頭のなかにあったアプライアンスが失われるのは,なにかくやしいと思う自分がいることに気付く。



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